第23回高宇連研究会+博士論文発表会
<日程・場所・形式>
・2024年 3月27日(水)13:00 から 29日(金) 17:00 まで
・京都大学理学部セミナーハウス
・オンサイト+オンラインのハイブリッド形式
                                 
研究会参加者向け: 発表資料ページ  (資料公開用パスワード付き)
高宇連会員向け: 総会資料ページ  (会員限定ページ)

<研究会のテーマ>

「教訓をふまえ、多様な将来計画を展望する」
今年度の高宇連研究会は、上記タイトルでこれまでの衛星計画を振り返るとと
もに、多様な将来計画をもって高エネルギー宇宙物理の将来を切り開く、とい
う企画にしました。
昨年打ち上げられたXRISMは、PV phaseの観測を始めようとしており、高宇連
内外の多くの研究者が長年待ち望んだマイクロカロリメータのデータが手に入
るところまで漕ぎ着けました。しかし、XRISM後の将来計画を考えると、戦略
の見直しが避け難い状況になっています。これまでの天文観測は、より遠方の
微弱な天体を観測するため、大規模高性能の望遠鏡を追求する歴史だったとい
えます。しかし、JWSTで宇宙望遠鏡が1兆円クラスになった今、JAXAの戦略的
中型の枠組みでは、これまでと同じ戦略でX線ガンマ線天文学の最先端を切り
開くことは難しくなってきています。また、新たな分野の宇宙への進出も進ん
でおり、従来の限られた打ち上げ機会では分野ごとの頻度を保てなくなってき
ています。この点で、超小型衛星やキューブサットによる宇宙観測が有効な手
段になってきています。一方、JAXAではこれまでの科学ミッションの進め方の
反省に立ち、GDIに基づく新しい枠組みでの将来計画の検討が進められていま
す。次期戦略的中型候補JEDIがその嚆矢として検討されていますが、まだ高宇
連の会員の間で十分認知が進んでいるとは言えません。
このような状況を踏まえ、過去および現在のミッションの振り返り、JEDIの検
討状況の確認、今後に向けた多様な将来計画の展望をプログラムに配置してみ
ました。従来通り、関連分野の博士論文発表もあります。2030年代後半から
2040年台を見据えて、どのような戦略で将来計画を進めていくのか、多様な手
段、斬新な視点、様々な規模の将来計画を俯瞰し、皆がワクワクするようなビ
ジョンを描けるよう活発な議論を行いましょう。


<研究会概要プログラム>
 講演時間
   招待講演     一人30分(講演22分+質疑応答8分)XRISMセッションを除く
   博士論文発表 一人20分(講演15分+質疑応答5分)

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2024/3/27
-- 趣旨説明 --
13:00-13:15 世話人
-- 完了/現在稼働中のミッション(1) --
13:15-13:45 松本 浩典(大阪大)Athenaの顛末とNewAthena
13:45-14:15 森 浩二(宮崎大) FORCE の活動を通して得られた Lessons Learned
14:15-14:45 三原 建弘(理研)MAXIの現状、Lessons Learned、将来
14:45-15:00 break
-- 将来ミッション(1) --
15:00-15:30 羽澄 昌史(KEK) LiteBIRD:サイエンス編
15:30-16:00 堂谷 忠靖(JAXA)LiteBIRD:技術編
16:00-16:30 米徳 大輔(金沢大)ガンマ線バーストを用いた初期宇宙・極限時空探査計画 HiZ-GUNDAM
16:30-16:45 break
-- 博士論文発表(1) --
16:45-17:05 小橋 亮介(京都大) 様々な周囲環境における超新星残骸の非熱的放射とJEDIの可能性
17:05-17:25 瀬戸口 健太 (京都大)Study of Supermassive Black Hole and Galaxy Coevolution in X-ray selected Active Galactic Nuclei Based on Multiwavelength Spectral Energy Distribution Analysis
17:25-17:45 立石 大 (埼玉大)X-ray Study of Contributions of Gamma-Ray Bright Supernova Remnants to Galactic Cosmic-Rays
17:45-18:05 庭野 聖史 (東京工業大)Multi-wavelength study of long-term activities of galactic Be/X-ray binaries
18:05-18:25 松田 真宗 (京都大)Exploring Energy Transfer and Evolution of Supernova Remnants through Year-Scale X-ray Variability

2024/3/28
--XRISMセッション --
09:00-09:20  田代 信(埼玉大)XRISMプロジェクトのこれまで
09:20-09:40  竹井 洋(JAXA) Resolve の開発をふまえた instrument manager のつぶやき
09:40-10:00  冨田 洋(JAXA) XRISM/Xtend 開発のLessons Learned
10:00-10:20  山口 弘悦(JAXA)XRISM初期成果
10:20-10:40  松下 恭子(東京理科大)XRISM衛星による科学観測と今後について
10:40-11:00  議論
11:00-11:15  break
-- 超小型衛星 --
11:15-11:45  玉川 徹(理研)超小型X線衛星 NinjaSat で得た教訓   開発から初期運用まで
11:45-12:15  澤野 達哉(金沢大)X線突発天体監視速報衛星こようの初期運用報告と大学発超小型衛星への展望
12:15-13:15  lunch break
13:15-13:45  谷津 陽一(東工大)広視野紫外線監視衛星うみつばめの開発状況
13:45-14:15  加藤 慎治(アクセルスペース)超小型衛星バスの開発
-- タウンミーティング(1) --
14:15-14:45  山崎 典子(JAXA)TBD
14:45-15:00  break
-- 現在稼働中のミッション(2) --
15:00-15:30  郡司 修一(山形大)IXPEで開かれた偏光をプローブとした高エネルギー宇宙物理学
-- タウンミーティング(2) --
15:30-16:00  高宇連将来計画検討委員
16:00-16:15  break
-- **高宇連総会 (高宇連会員限定)--
16:15-17:15 高宇連運営委員

(18:00-20:00 懇親会)

2024/3/29
-- 博士論文発表(2) --
09:05-9:25 長澤 俊作 (東京大 Kavli IPMU)太陽フレア粒子加速研究のための革新的硬X線撮像分光検出器の開発 (zoom)
09:25-9:45 福島 光太郎 (東京理科大)Supernova nucleosynthesis and chemical enrichment explored by X-ray observations of the hot gas in galaxies (zoom)
-- 将来ミッション(2) --
09:45-10:15 福家 英之(JAXA)宇宙観測手段としての大気球実験 (zoom)
10:15-10:45 小高 裕和(大阪大) MeVガンマ線天文学の展望
10:45-11:00 break
11:00-11:30 佐藤 浩介(埼玉大)ダークバリオン探査衛星「Super DIOS」の現状
11:30-12:00 江副 祐一郎(都立大)地球磁気圏X線撮像衛星 GEO-X の現状
12:00-12:30 成影 典之(NAOJ)太陽X線集光撮像分光観測計画(PhoENiX衛星計画、観測ロケット時実験FOXSI-4)の検討および準備状況 (zoom)
12:30-13:30 lunch break
-- JEDI(CHRONOS) セッション --
  オーガナイザ: 榎戸 輝揚(京都大)、中澤 知洋(名古屋大)
13:30-15:10 サイエンス・システム設計
15:10-16:00 **議論(高宇連会員限定)

-- 総合討論 --
16:00-16:45 高宇連運営委員
-- 博士論文発表会受賞者の発表・表彰 --
16:45-17:00 高宇連運営委員 優秀賞は長澤さんに授与されました
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**のついたセッションは、高宇連関係者用に回覧される、研究会とは別のzoomで開催予定です。別途情報を展開します。

-- ポスター講演 --
勝田 哲(埼玉大)X線天文衛星がとらえた2022年トンガ海底火山大噴火による超高層大気の密度変動
高田 淳史(京都大)MeVガンマ線の画像化とSMILE計画
武田 朋志(理研/東京理科大)超小型X線衛星 NinjaSat : 打ち上げ成功と初期観測
辻 直希(京都大)中性子を用いた月の水資源探査、素粒子・宇宙物理学研究を行うMoMoTarO計画
信川 久実子(近畿大)ISS曝露部搭載のX線SOIピクセル検出器による超高層大気の観測計画
宮城 生成(東京工業大/JAXA)「すざく」による dipping 低質量 X 線連星 XB1916-053 の解析
森井 幹雄(JAXA/DATUM STUDIO株式会社)ひとみ衛星の硬X線望遠鏡で撮像したかに星雲の画像復元

<講演資料>
講演資料は、原則として、PDFとして集め、研究会参加者向けの限定ページにアップします。
(高宇連総会の資料は、別途、高宇連会員に公開されます。)

<申し込みフォーム>
https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSeusovcKZw7wdEXzZgE9ndzIogAAXmyFUlgrhrHzuZYoeexRQ/viewform
から参加申し込みください。
・参加申し込み:3/22(金)締め切り
でお願いいたします。


<世話人>
高宇連運営委員、将来計画検討委員、鶴剛、内田裕之
代表 京都大 上田佳宏